花恋-はなこい-

「け、けいくん……!」


蒼を鋭く睨みつける

圭輔の姿がそこにあった。


圭輔は静かに、

でもはっきりともう一度言った。


「真由から手、はなせよ」


少しの間の後、

蒼はにやりとした表情を

浮かべながら、

「はぁーん。そういうことね」

と呟くと、

真由からぱっと手を離した。


真由は蒼の後ろ側を

素早く走りぬけ、

廊下で待つ

圭輔のもとへ行った。


3人の間を流れる微妙な空気。


その雰囲気に

耐えられなくなりそうになり、

真由の目から

じんわり涙が浮かんだ。