花恋-はなこい-

授業中ずっと、

なんだか背中に視線を感じる。


真由はなんともいえない

感覚に身悶えていた。


授業中だから

振り向くわけにもいかない。


でも、

すごく熱いものを感じる。


どうしていいのか分からず、

何度も軽く背伸びをする。


真由はふとノートの端っこを

切り取るとそこに、


『杏奈

 藤岡君、今どこ見てる?』


と書くと4つに折りたたんで

隣の席へと渡した。


杏奈はその紙を素早く開くと、

少しの間の後、

さりげなく消しゴムを

斜め後ろに落とし、

絶妙なタイミングで

蒼の視線を確認した。


杏奈がまた別の紙を用意して

ささっと書くと、

真由の机の上にぽんと置いた。