花恋-はなこい-

またいつもの

イタズラな表情に戻ると、

蒼は再度、

真由に1歩ずつ近付き

手を伸ばし始める。


「俺は、絶対諦めないって。

 そうだ。

 どうせだからみんなの前で

 キス、しちゃおうぜ」


そう言いながら、

逃げ惑う真由を

今度はしっかりと掴んだ。


「やだ。はなして!」


ニヤリと笑うと、

蒼は顔をどんどん近づけ始める。


「お願い、やめて!」


真由は蒼から逃れようと

顔を大きく後ろに引く。


と、その時、


「藤岡!

 テメェ、真由からはなれろ!」


体育館の中央から

怒りに震える声が聞こえた。