花恋-はなこい-

しばらく黙っていた蒼が

ふふっと鼻で笑ったかと思うと、

「そんなの俺の想定内。

 真由ちゃんがずっと

 香坂のこと好きでいようとも、

 俺は真由ちゃんのこと

 モノにするって

 前から言ってんじゃん」

にこりと笑いながら

真由の肩に触れようと手を伸ばす。


しかし、真由は

蒼の手を勢いよく払いのけた。


「私は、

 けいくんのことが好きなの!

 ずっと、ずっと……。

 だからこれ以上、

 私に構わないで!」


真由の声がきーんと

体育館内に響き、共鳴する。


いつもは諦めない

蒼の表情が強張る。


でもそれはほんの

一瞬だけだった。