花恋-はなこい-

A組の男子から順に

割り当てられたメッセージを

読む。


マイクを通したその声は

体育館中に響き渡り、

いつも聴いている声と

全く雰囲気を変えるものだった。


真由は4番目。


1人1人の文章量は少ないが、

やっぱりどうしても緊張してしまう。


じんわりと手に汗がにじんでくる。


A組女子の担当部分が終わり、

隣にいる蒼にマイクが渡される。


蒼は全く緊張しないのか

いつものあの笑顔で口を開いた。


「3年生から多くのことを

 教えて頂きました。

 それらのことを胸に、

 僕たちは4月から

 3年生として1歩1歩、

 歩んでいこうと思っています」


蒼の担当部分が終わり、

次はいよいよ真由の番だ。


高まる心臓をどうにか

落ち着かせながら、

真由が蒼の方へと向き

マイクを受け取ろうと手を出す。