花恋-はなこい-

“俺のこと受け入れてくれたんだな”


蒼は今そう思っているに違いない。


10分程経った頃だろうか。

各クラスの代表者が揃い、

学年主任の先生が

1人ずつに紙を配り始めた。


真由はその紙を受け取りながら

集まったメンバーを

端から目で確認する。


けいくん、いるかな……


真由の淡い期待は、

もろくも泡となって

消えてしまった。


E組の代表は圭輔ではない。


その事実に、

真由の口から自然と

溜め息が漏れた。


予餞会、

何も起こらなければ

いいんだけど……


抱えきれないほどの不安が

真由の心に重くのしかかった。