花恋-はなこい-

その日の放課後。


予餞会本番へ向けての練習を、

体育館の2階スペースで

行われることになっていた。


真由と蒼はどうやら

1番に来たようだ。


まだそこには真由たち以外、

誰もいない。


軽いノリで

蒼が口走ってしまった言葉が、

まさか先生に

採用されてしまうなんて

思ってもみなかった。


全校生徒の前に立つなんて、

それだけでも

全身が硬直してしまうのに、

追い討ちをかけるかのように

蒼が隣にいるなんて、

真由は今すぐにでも

逃げ出したい気持ちで

いっぱいだった。