「お帰り、真由。

 どうだった?

 喜んでくれた?」


母親の弾む声に

真由もつられて笑顔になる。


「うん。杏奈も先輩も

 喜んでくれたよ」


「よかったねー。

 杏奈ちゃんもこれで

 彼と一緒に過ごせるんだものね」


「うん。杏奈、

 ずっとニコニコしてた」


母親は頬を赤らめながら

うんうんと深く頷いた。


「ちょっと、部屋に行ってるね」


真由がそう言うと、

母親は再度頷き軽く

手を振ってくれた。


部屋に入り、電気をつける。


手にしていた荷物を

その場にどさっと置くと、

真由はベッドの縁に

もたれるように座り、

少し上のほうを見上げた。