花恋-はなこい-

タルトと一緒に振舞ってくれた

杏奈のお気に入りの紅茶を

一口含み、

小さく1つ息を吐く。


ティーカップに入っている

紅茶をぼうっと眺めながら、

真由はもう1度ゆっくりと

口へ運んだ。


そんな真由の姿が目に入ったのか、

聡史は静かに口を開いた。


「真由ちゃん、どうしたの?

 なにか、あったのかな」


聡史の言葉に真由は

心臓がどくんと動くのを感じた。


せっかくのお祝いの席で、

無意識に表情が

なくなっていたのかもしれない。


そう思うと、

真由は2人に申し訳なく思い、

余計な心配をさせまいと

無理に笑顔を作ろうと口元を

意識的にあげる。