花恋-はなこい-

アクセサリーやそういう類に

あまり詳しくない圭輔が、

一生懸命に選んで

プレゼントしてくれた

お揃いの指輪。


―――将来を約束―――


そう言ってそっと

指につけてくれた指輪。


2人にとってとても

大切なその指輪が、

圭輔の右手の薬指から

外されていた。


もう私とけいくん、

ダメになっちゃったのかな……


けいくん、私のこと、

嫌いになっちゃったのかな……


真由の心がぎゅっと

締め付けられ目にはじんわり

涙が浮かんでくる。


圭輔の中から、

自分がいなくなってしまった

ような、

そして自分の代わりに

翠がすっと割り込んできた

ような気がして、

真由の心はどん底まで沈んだ。


そればかりが真由の頭を占拠し、

この日の授業は

全く身に入らなかった。