花恋-はなこい-

絡まりまとわりつく

蒼から少しでも

はなれることが出来て、

真由はちょっとだけ

開放された気がしていた。


ふと肩をつんつんと突付かれ、

真由は杏奈の方をみる。


杏奈は視線を前に向けたまま、

「香坂君、じゃない?」

と小声で言った。


真由もその視線の先へと

目を向ける。


そこには杏奈の言った通り、

圭輔がこっちに向かって

歩いてきていた。


「ほ、本当だ……」


真由はそう小さく言うと

そっと立ち止まった。