花恋-はなこい-

「みなさーん。

 今日から菅野真由ちゃんは

 俺のモンだから。

 そこんとこ、よろしくね」


言い終わると、

蒼は何事もなかったように

自分の席へと向かった。


クラスメイトの視線が

一気に真由へと注がれる。


真由は顔を真っ赤に

させながら、

思い切り首を横に振る。


「ち、違うの!

 これは勝手に藤岡君が……」


真由は必死に

クラスメイトに向かって叫ぶが、

その声は虚しく響くだけで

クラスメイトの耳には届かない。


蒼の言葉はすぐさま

クラスメイト同士の

ひそひそ話へと変わっていく。


そのひそひそ話が

学校中の噂話へと発展するには、

そう時間は掛からなかった。