花恋-はなこい-

結局、真由は

蒼の握り締められた手を

ほどくことが出来ず、

そのまま学校へ一緒に

登校してしまった。


昇降口で一旦

手がはなれた隙をみて、

真由はダッシュで

教室へと駆け込んだ。


「真由、どうしたの?」


先に登校していた杏奈が、

真由の様子をみて駆け寄る。


思い切り走りすぎたからか、

真由の肩が激しく

上下している。


心配そうに見つめる

杏奈を見た瞬間、

真由は緊張の糸が切れ

わっと杏奈に抱きついた。


「けいくんの言葉、

 嘘じゃなかった……。

 藤岡君が、強引に

 私の手を引っ張って学校に……」


頭の中が整理しきれず、

真由が思ったままを口にする。


すると杏奈は

真由の心を察したのか、

真由の背中を優しく

ぽんぽんと叩き始めた。