花恋-はなこい-

チャイムが鳴るのと同時に

真由は2年B組の教室へと入った。


昨日の詩織の言葉。


そして今日、

いつもの場所に

圭輔が来てくれなかったこと。


真由の心にどんよりと

影を落としていた。


「はあ……」


真由の口から

自然と重い溜め息がもれる。


そんな真由の雰囲気を察知したのか、

隣の席の杏奈が

真由の肩を軽くぽんと

叩きながら声を掛ける。


「真由、どうしたの?

 何かあった?」


鞄を机の横にかけながら

真由はもうひとつ溜め息をつく。


そして教室内を軽く見渡す。


蒼は教室の端っこで

男友達数人と談笑している。


それを確認すると、

椅子に座り杏奈の方を向いてから

重い口を開いた。