花恋-はなこい-

「女の……人?」


真由は消え入りそうな声で

詩織に尋ねる。


「はい。どんなこと話してるのか

 とかは分からないんですけど。

 メールも毎日届くみたいで……」


真由の頭に真っ先に

翠の姿が浮かんだ。


蒼とそっくりな、

くっきりとした顔立ちの

いわゆる美人顔が。


今日の朝の、

圭輔と翠が腕を組んで歩く姿。


そして、先生からのあの言葉。


全てが真由の中で

ひしめき合い、

そして複雑に絡まる。


真由の表情を見て察知したのか、

詩織はすっと

頭を下げるのとほぼ同時に、

「ごめんなさい。

 先輩のこと、不安にさせちゃって」

と言い、テーブルに手をついて謝り

さらに言葉を続ける。