花恋-はなこい-

『ナノン』に到着すると、

真由は詩織の姿を探し始めた。


メインゲートのすぐ隣に

携帯電話を見つめる

詩織の姿を見つけ、

真由は呼吸を軽く整えてから

詩織に近付いた。


「詩織ちゃん」


真由の呼びかけに

詩織は携帯電話から視線を上げる。


「先輩。すみません、

 急に呼び出しちゃったりして」


「ううん、大丈夫だよ。

 じゃ、どっかでお茶しよっか」


詩織はこくんと頷くと、

2人並んで『ナノン』へと入った。


比較的出入口から近い

コーヒーショップに入り、

それぞれドリンクを買うと

奥にあるソファ席に座った。