花恋-はなこい-

蒼のあまりにも軽い態度に

真由は苛立ちを隠せず、

「私の知らないところで

 きくなんて、失礼だよ」

と声を荒げて言う。


しかし蒼は

真由の言葉には

一切耳を貸さず、

むしろ自分の感情の

おもむくまま、

真由の肩に絡めた腕を

よりしっかりと自分へと引き寄せる。


「俺、真由ちゃんからの返事、

 ずっと待ってたんだけどなー」


今度は真由が蒼の言葉を無視し、

引き寄せられた肩から

どうにか蒼の腕をはがそうと

もがく。


「いい加減はなして。お願い」


真由の言葉が虚しく響く。


蒼はにやりとした表情を

浮かべながら、

真由の肩に腕を絡ませたまま

学校の門をくぐろうとしていた。