花恋-はなこい-

「真由は、絶対に渡さない」


圭輔は今は見えない敵に

向かって静かに、

でもはっきりと呟いた。


「真由、俺から離れるなよ」


今度はふんわりとした

柔らかい言葉を真由に言う。


「うん」


真由は微笑みながら返事をした。


それを確認すると、

圭輔は今よりしっかりと

真由の手を握り締めた。


“絶対に離さない”


その想いが、

手からもしっかりと

感じられるほどに。


「おっはよー!」


真由たちの真後ろから

とびきり大きな声が響いてきた。


その声質に真由はびくんと反応する。


真由と圭輔はゆっくりと

その声のする方へと振り向いた。