花恋-はなこい-

蒼は真由を

自分へ向かせたと同時に、

真由の唇を奪ったのだ。


それも強引に。


荒々しく。


蒼の荒い息が

真由の顔に降りかかる。


圭輔にだけ触れて欲しい

その大切な場所が奪われ汚され、

そしてそれを

圭輔の目の前でなされたことが、

真由の心を瞬時に

大きな闇で覆ってしまった。


目からは止めどなく

涙が溢れ出る。


真由は両腕を

力いっぱいばたつかせるが、

蒼の腕の中では全く無意味だ。


真由の唇を奪いながらも、

その視線は圭輔へと向けられる。


そしてにやりと

悪魔のような笑みを浮かべた。


「お前、藤岡!

 このヤロウ!」


校舎中に響き渡るほどの

大声をあげながら、

圭輔は翠の腕を

無理やりはがすと

蒼へと飛びかかった。