〜半年後〜




「はぁ、今日でこの制服ともお別れかぁ…。」



今日は、

高校の卒業式。



この校舎とも

ここで出来た友達とも…



今日でお別れ…。



そう思うと、少し寂しい。




「嘉穂ちゃ〜〜ん」



思い出に浸っていると、

後ろから、ムードぶち壊しな声が聞こえてきた。


「なにしてんの?ハニー」
「誰がハニーよ。」


こいつの名前は
『北川勇稀』

「嘉穂ちゃんのことに決まってんでしょ」


北川は、

三年になってから
同じくクラスになった。



…あと

あたしがおにいちゃんのことで落ち込んでた時、

それに気づいて優しくしてくれた人。


「あ…あのさ、嘉穂ちゃん」
「なぁによ?」

「話があるんだけど。」

「今更かしこまって何〜?あ、まさか、あたしに告白〜?なんて…」


北川は顔を真っ赤にして固まっている。

「えっ、図星?!」