その日の練習は、ゲーム形式だった。 人数合わせで、坂本君も加わった。 俺は変にむきになってた。 自分でもそれは分かってた。 坂本君から無理にボールを奪おうとした時、足に激痛が走った。 誰かのスパイクが俺の足首を蹴りつけた。 痛みにうずくまってたら、みんな集まってきた。 遅れて玲も駆け寄ってきた。 『奏ちゃん、大丈夫?』 「大丈夫じゃない。」 丸まったままそう答えたら、 『保健室で診てもらい。』 俺を見下ろした坂本君が言った。