それから1年が経った。


遂に俊輝は卒業します。

俊輝は見事に第一希望の大学に受かり、
私は同じ大学に行くために費用を貯めるのと、勉強をしています。


家族というと、母が、父の所へ行き、先日 私達を迎えに来ました。

「心を入れ換えてやり直したい。」

と言われ、やり直す事にしました。


その後、俊輝のお義母さんとお父さんのお墓参りに行きました。
体が弱かったらしくて、紗奈ちゃんを産んで亡くなってしまったようです。

お父さんはお義母さんを凄く愛していて、自殺をしてしまいました。


なので、俊輝は父を守れなかったと自分を責めていたようです。


「夢凪?考え事?」

「え?あっ、おはよう」

いけないいけない、折角俊輝の晴れ舞台の日なのに・・・
家が変わっても私と俊輝はいつも通り朝から一緒に学校へ向かっていた。
(大抵俊輝が家に来てくれる)

「卒業おめでとう」

そう言うと、俊輝は私の手を握って歩き出した。

「あ~あ、卒業かぁ」

「大丈夫!すぐに私も行くし、清也先輩も居るでしょ?」

そう、俊輝と清也先輩は二人で同じ大学に行った。
偶々一緒だっただけだけど、

「夢凪、待つ方は心配なんだぞ」

「なんで?」

「頭が悪いくせに俺と同じ所来ようとするから」

「なにそれ!」

「別々になったら夢凪を守ってくれる奴居ないからな、ナンパされそうじゃん。んで、ナンパって気付かないでホイホイ着いていくんだ」

「大丈夫!私は俊輝しか好きじゃないもん」


そう言うと、俊輝はそっか、と笑って、手に力がこもった。




こんなに私を心配してくれて、好きで居てくれる人を、
「守れなかった」と後悔させたくない、後悔させないと強く私は思った…。