『おんなのこだから?父さん』
『そおだ、でも、どうして女の子か、わかるか?』
『なんだろぉ?』
『誘拐されるだろ?』
『ゆうかい?』
『なに?それ、おいしい?』
『あははっ美味しくはないわ。怖い事よ』
『夢凪ちゃんがお前達じゃ届かない所に連れていかれるかもしれないんだ』
『だれに?』
『知らない怖い人にだ』
『ふぇっ。こわいよぉ』
『ゆっ夢凪?だいじょぉぶだよ』
そう言って私を撫でる俊君。
『うん!僕が守るから!』
『え?』
『お前、たくましくなったな』
すると俊輝のお父さんとお義母さんが笑った。
そこに、私の母がきた。
『こら、夢凪?ちゃんとどこ行くか言ってよ』
『だいじょぉぶです、僕が守るから!』
大人はみんなポカンとした。
けど、すぐに笑った。
『じゃーぁ、俊輝君に、夢凪の事を頼もうかな』
『じゃあ、俊輝は夢凪ちゃんを預かるのね』
『すてきね、』
『えぇ、夢みたいだわ』
『なになに?』
『たのむ?』
『あっ!けっこぉんすれば良いよ!』
『『けっこぉん?』』
『うん!一生一緒に居られるんだ』
『僕一生一緒に夢凪ちゃんと居たい!』
『わたしも!』
『じゃーぁ、俊輝君は、夢凪に、結婚してくださいって、言わないと』
『夢凪ちゃん、結婚しよぅね、』
『うん!夢凪、結婚する!』
そう言って指切りげんまんしたんだ。
お母さん、私、約束が叶いそうだよ。
どんなに小さな頃の約束で、
どんなに幼稚な約束でも、
私、俊輝と結婚出来そうだよ