―中2 2月14日
「頑張って!」

「ゆーちゃんならいけるって」

「うん!頑張る」

ぎゅっとスカートを握って歩きだす。

幼なじみだけど、あんまり知らないのに好きになってしまった人。
そんな人の家に行く。
近くで友達が待ってる。

ピーンポーン

インターホンがなる。
少しして声が聞こえた。

『はい』

「さっ坂井です」

『あっはい。』

ドアが開いて先輩が出てきた。

「あっあの、好きです。」

あ・・・終わった。

「えと、まだ私は先輩の事全く知らないし、
先輩も私の事知らないと思うので、あの」

あー何言ってんだ。

「付き合うとかじゃなくて、気持ちを知って貰いたくて・・・」

意味分からない事言ってるのに、先輩は聞いてくれてる。

「これ、良かったら貰って下さい」

作ったチョコを渡す。
そして、歩き出したら、

「俺、君の事は名前しか知らない。」

私はびっくりして振り返った。

「でも、今から知るのも遅くないと思うんだ」

「はい」

「これから付き合う訳じゃないけど、君の事知っていきたいと思う」

「は・・・い」

「君は?」

「知ってほしいし、知りたいです!!」

そういうと先輩は、ニコッと笑ってよろしくって言った。

―よろしくって言ったのに、
結局好きになってもらえなかったのかな。
まだ、先輩の事好きなのに。

あっでも、名前で 呼んでもらってるだけいっか。

やっぱり、離れたくない。

次第に夢凪の目に涙がたまっていった。

と、前の人に当たってしまった。

「ずみまぜん」

「あら、自分からノコノコと来たわ」

「え"?」

「一緒に来てよね?」

「うっ」

頭を殴られた。

「やめろっ!!」

誰かが叫んでる。
助けてほしいけど、
次はあなたが苛められちゃう。

夢凪は朦朧とした意識の中で、言葉を発した。


「助けないで!!」