私と先輩


ドアをノックすると奥からどうぞ、と言われた。

「「失礼します」」

「やぁ、わざわざすまないね」

この偉そうな態度の奴は、生徒会長の
大沢 信孝(おおさわ のぶたか)

「いえ、一体なんの用ですか」

夢凪が俺の手を握ってくる。

「いやぁ、まぁ、座って」
俺と夢凪は近くにあった3人掛けのソファーに座る。

「う~ん、君等は仲良いの?」

「え?あっはい、」
「まぁ、」

「ふぅん・・・」

なんだ?なんでこいつはそんな事を聞くんだ?

「寮に、住みたくない?」

「寮に、ですか?私は無理です」

「君のきょうだいと一緒に」

「・・・なんでそんな事を?」

「まぁ、色々あるんだ。どう?」

「いや、大丈夫です」

「ほぅ。なんでだい?」

「今のままで頑張れますから」

「同居は?」

「してねーよ」

はっ!しまった
生徒会長が睨んでくる。
元々狐目なのに更に細くなる。

「していないのか、」

「じゃあ逆に聞くけど、同居してたらなんだ?」

「あぁ、別に何もないさ」

ムカッ。
そんなんで聞いたのかよ。

「将来的には考えてる。それだけだ」

それだけ言って夢凪を引っ張る。

「じゃあね、夢凪さん」

「え?」

馴れた呼び方に違和感はあったが、相手にしたくなかったから夢凪を引っ張って生徒会室を出た。