あれから数日。

私は見事にクラスで浮いてしまった。
―放課後。

「ねぇ、あんた」

「何ですか」

手に力を入れると冷や汗が出てきた。

「生意気なのよ!」

その子は手を上げた。

「何が生意気なんですか!?」

当然の疑問をぶつけると、その子は黙った。

「何が?分からないの?」

「分からないから聞いてるんです」

私は怖かったけどその子を真っ直ぐ見る。

その子はニヤリと笑っていた。

「俊輝先輩と清也先輩と知り合いって言うことよ」

パァン!

教室に響いた、私を叩いた音。

「わかる?今度あの二人と話したら」

「痛いです」

「そういう態度も気に食わないわ」

私はぎょっとした。
痛いんだからしょうがないじゃん!!

「すみません」

「嫌よ」

「あの・・・」

「なによ」

「もう帰って良いですか?」

「はぁ?この期に及んで上から?」

「ほんとに私時間ないんです」

「ほんとにむかつく!帰さないわ」

「じゃあ、どうしたら帰らしてくれますか」

もう、ほんとに時間がない。

タイムセールがぁ!!!

「帰らして下さいお願いします。って土下座したらね?」

「あなたに頭下げたくない」

あっしまった。
つい、本音を・・・
すごく怒ってる・・・

「うるさい!!下げろ!」

次の瞬間、私は頭が痛くなった。

「痛っ」

しばらくして分かった。
私は今、その子に頭を掴まれて床に押さえつけられた。

「痛い?じゃあ早く言いなさい」

周りの人達はうわっという顔をしている。

こういうシーンは漫画で見たことがある。

その時は謝っても意味がない。
ていうかこんな人に謝りたくない。


「嫌!!」

私は頭を横に振って手を振りほどく。
そして走り出した。

「つっ捕まえてぇ!!」

その子の声が聞こえて周りの人は反応した。
捕まえようと必死に私に手を伸ばす。

「まて!!」
「おい!そっちだ!!」
「先回りしろ」

私は校舎から校門に向かって走った。