「ああ?なんだその目は」

「・・・私の目」

「ふざけてんじゃねぇよ」

バチッ

「おねっちゃん」

和樹が私にしがみつく。
私は和樹を撫でると、少し落ち着かせる。

「みんな、身支度してきて」

「「「え?」」」

「はやく。」

もうずっと前から考えていた。
お母さんが居なくなった日から
もう住む家も用意してある。

三人は階段を登って各自の部屋に行く。


「お父さん、さようなら」

「出ていきたきゃ勝手にしろよ
でもなぁ、一生逃げられねえからな」

ニタァと笑う父。
いや、もう父でもない。
立派な魔王だ。

「お姉ちゃん」

三人が戻ってきた。
荷物は少ない。
いや、元々魔王に買ってもらえず、何もない。

「行こっか」

私は和樹を抱き上る。

夢眞が空いてる私の手を握り、和馬が夢眞の手を握る。

そうして私達は夜の道を歩いていた。

新居を目指して。