ドクン ドクンと心臓がなる。
聞こえてるかもしれない。
今、私達は私の家の前にいる。

「夢凪・・・呼び捨てにする時は『俊輝』にしてよ」

「わかりました。」

「もし、それで苛められたら・・・」

私は先輩をジッと見る。

「守るから」

ボソッと言ってたけど聞こえた。
守ってもらえるんだ。

「ふふっ。お願いします」
私は思わず笑ってしまった。

「聞こえたのか?」

「はい」
私は何故か笑いが止まらなかった。

「・・・ふっ。おやすみ」

「え?あっは―・・・」
先輩の顔が近付いてきておでこにキスをした。

「ははっ顔真っ赤」

「うぅー。いきなりだからですよ」

「ふぅん?・・・・・・じゃあな」

そう言って先輩は帰って行った。

「おっお気を付けて!!」

しばらくおでこに手を当てていた。

(もう・・・・・・すごく好きだな)

一人、そんな事を思いながら。

(顔が勝手ににやける~)

「「お姉ちゃん?」」

双子の妹弟が出てくる。

家の中から泣き声が聞こえる。

「和馬、夢眞、和樹は家?」

弟の和馬(かずま)
妹の夢眞(ゆま)
はゆっくり頷く。
あの泣き声か・・・・・・

「お父さん!!」

「うるせんだよ!!!」

「うわぁぁぁぁぁぁん」

私は和樹を抱き上げる。
こんな家・・・・・・