私と先輩


スタスタと前を行く先輩。

「しっ俊輝先輩!!」

はっ!
敬語つかっちゃった。

「なんだよ」

「すみません・・・まだ慣れなくって」

「うん良いよ。ごめんな」

「いっいえ、謝る程では、」

「でも、なんで呼び捨てで大田になるの?」

「!!」

それかぁっ!!先輩が怒ってたのは。

「・・・それを女子に聞くんですか?」

「・・・うん」

「恥ずかしいからですよ・・・」
最後の方に声が小さくなる。

ちらっと先輩を見ると笑ってた。
優しくこっちを見る。

「そっか・・・」

眩しいよ先輩。
きっと私だけがドキドキしてるんだろうな。
だって私、色気とかないもん。

「先輩・・・手、繋ぎますか?」
ポツリと言った私に先輩は少しびっくりしてる。

でも、すぐに笑顔になり、手を握ってくる。

「せっかくだからな、繋ごうか」

私は嬉しくて笑顔になる。

「はい!」