私と先輩


しばらくして家に着く。

「ただいま」

「おかえり、紗理奈おいで」
俊也が紗理奈を呼ぶ。

「俊也兄さん?」

紗理奈はもう泣き止んでいた。
とことこと近付いて行く紗理奈は不思議そうだった。

「紗季・・・紗理奈、好きなの?」

俺は不意に言ってしまった。
「好き・・・なのかな」
やっぱり分からないか。

「好きだっ!!だって、一緒に居たいもん」

無邪気に笑う紗季は、恋愛的に、なのか、兄妹的になのか、


「でも・・・恋は、ダメだね」

「・・・?」

「だってきょうだい?ってだめでしょ?」

・・・・・・
中2でその質問か、
紗季、お前の成長、義母さんに見せたかった。

俺は紗季を撫でる。

「うん・・・そうかもな、」

「紗理奈は大切にしたいからさっ、頑張るよ」

「うん、頑張れよ」

紗季はそう言って部屋に戻った。

義母さん、あの子達はたくましく育ってます。

どうか、心配しないでそこに居て下さい。