だんだん家が近付いてきた。
夢凪はもう家に帰っただろうか。
「俊兄さんおかえり」
「おぅ、」
弟の俊也。
今高1、違う学校だ。
俊也は買い物袋を持っていた。
「しゅんにぃーぉかえり」
妹の紗奈。
今は幼稚園年小か。
「紗奈の迎えのついでに買い物してきた。」
俊也は冷静だ。
草食系男子。眼鏡。
顔は整ってる。
紗奈は・・・可愛い?
「あれ?紗理奈と紗季は?」
うちは『きょうだい』が多い。
俊也と俺は兄弟。
紗奈、紗理奈、紗季は俺とは義理の関係。
母がダメな奴で浮気して離婚。
その時、俺と俊也がいた。
父さんが再婚した時、三人がきた。
紗理奈と紗季は男女の双子。
因みに紗季が男だ。
実に可哀想だが、からかわれている。
弱い、いわば、ヘタレ。
紗理奈は実は強い。
だから紗季をかばう。
(そのせいで余計からかわれている)
「俊兄さん聞いてる?」
「え?何か言ってたか?」
「はぁ・・・」
弟にため息をつかれると悲しい。
「紗理奈が呼び出しくらったって」
「紗理奈が?」
紗理奈は脅すので言われたりしないのだが、
「喧嘩?」
「うん、僕は紗奈見てるから言ってきて」
「了解」
ほんと、しっかりした奴だな。

