でも気になる点も幾つかあって、

それは、あの中2のバレンタイン。

あの時、私を振ることも出来ましたよね。
なぜ、期待させるような事言ったんですか?

何故言ったくせに心が動いてなさそうなんですか。


そして、今。
何故抱き締めてるのですか。

本当に先輩は良く分からないよ。
気付いてますか?
私の気持ち。

もう、疑問しか出てこないよ。


「俊輝先輩、離して下さい」
「やだよ」

「・・・」

先輩の絞り出す様な声に私は固まっていた。

「だって、離したら、離れていくだろ?」

何を言っているんだこの人は


「もう、嫌なんだよ、誰かを失うのは」

「・・・先輩?」

私の声に反応して体を離す先輩。

「ごめん、ごめんな」

「いえ、大丈夫・・・です」

なんか、なんか、私、

「先輩の事、何も知らないんだ・・・」

「ん?」

「いえ、何にもないです、帰りましょう」


「?あぁ、」


夕暮れの教室を二人は出る。

夕日が二人を照らし、影をつくる。

その影が廊下におちて、
二人を見守る。