なにより、いろんなことを分かり合える。つらいことがあって言わなくても一緒に泣いてくれる。楽しい事があったら一緒に喜んでくれるマリアを私は大好きだ。

マリアと昨日のお笑い番組の話をしていると教室のドアがガラッと音をたてて開く。教室にいるみんながドアのところにいる人に注目しそそくさと自分の席へといそぐ。

担任が教卓にたってHRの開始の礼をした。評議委員のやる気のない掛け声と共にみんなが礼をする。

「えーみんな知ってると思うが後1週間後にひかえた集団宿泊についてだがーまず班を決めたいと思う。くじ引きで決めるぞー」

その言葉にみんなから次々へとブーイングがおこる。

「うるさい!!とにかくくじ引きはくじ引きだまず男子からー並べー」

その声に男子はだるそうに腰をあげ担任の前へ並ぶ。

「ねーくじ引きとか最悪やない?班ぐらい自分で選ばせてやー」

マリアの顔からはどんだけ嫌かわかるぐらい顔がゆがんでいる。私も「嫌だよねー」と言う。

「一緒の班がいいなー」

その言葉に私は深くうなずく。集団宿泊ではほぼ班行動だしほぼ他の班とは行動しない。だからこの班決めは集団宿泊にとって大切な役割なのである。

一緒になれることを祈っているといつのまにか男子はとっくにくじをひいておりあちらこちらから「最悪やー」「ゲッ」「やったー」などとの声があがっている。

女子の番がきたため私も列にならんだ。