「お前俺のどこがクズなんだよ!!」

「全部」

「・・・・・・。」

変わらず冷たく言う私に翔汰はため息をついた。

「お前なーなんでそんなに俺に冷たいの?素直になりゃ絶対可愛いしモテるのに・・・」

「うっさい 黙れ」

「はいはい」

とうとう観念したのか翔汰は友達のところへと歩み寄って行った。長瀬翔汰は幼稚園の頃からの幼なじみで今までクラスが離れたことがない。翔汰は以外にも勉強もできスポーツもできて顔もいい方だから女子様にはモテモテで今まで告白シーンを何回も見たことがある。
自分には分からないあいつの良さが。唯一言えるなら‘優しい‘くらいかな?
翔汰は紳士的なところもあるからみんなにはいつも優しくてそういうところも女子様に人気を得ている1つかな?どうでもいいような翔汰の解説をしていると私の元に1人の女子が寄り添ってきた。

「愛おっはー今日さなんかHRで今度行く集団宿泊の話するんだって!!」

私に話しかけてきたこの女子は泉マリアって言って小学生の頃からの大の友達でもう1人の幼なじみでもある。で、愛っていうのは私の名前で山内愛っていう私には似合わない名前だと今まで何回思ったことかとふたたび思わされる。でもうちが冷たいのは翔汰の前だけで他の人の前では愛という名前は合っていると思う。

「マジでーついに次の週の月曜日から集団宿泊かー早いねー」

「うんうん!!早いよねマジで!楽しいだね!!」

「うん!!楽しみだね!一番の楽しみは夜だけどねー」

「確かにーそれ言えるわー」

2人で笑い合っているこの時間が私にとっての楽しい時間だった。
マリアといるとたとえいやなことがあってもすぐに笑顔になれるし、