英語の授業は退屈で、眠くて仕方ない。

「旬くん、消しゴムないの?」
「え、あぁ」

地獄耳な私は茜ちゃんと滝田の会話まで拾ってしまう。ストーカーみたいだな。

「茜、2個あるの。使う?」
「ごめん、いい。シャーペンについてるの使うから」
「えー。 そっかぁ」

どうしてだろうキャラメルみたいな茜ちゃんの声に、なんだか少し引っかかった。