男子も女子も皆、それぞれのグループにいて楽しげに話しこんでいる。




(・・・・・・飲み物、買ってくるか)




クラスにいると何かもう切なくなってくるので立ち上がって自販機のほうへ向かう。




しかし立ち上がった瞬間に脚が強く椅子に当たってとんでもない音が鳴り響き、クラス中が怯えた表情で俺を見やっていた。




いや、誤解だって。椅子なんか蹴らねぇって。




とも言えず、俺は無言で教室を立ち去った。






六月という季節柄、気温は蒸し暑い。じっとしていると手に背中に汗がにじむ。




その蒸し暑さを少しでも吹き飛ばそうと、コーラのボタンに手を伸ばす。