「それが福士くんらしいよ。」


「・・・・・」


「それでもフラれたら、
美味しい料理作ってあげる。」


「えっ!?」


「その時は離さないから、
絶対に・・・」


「知里ちゃん・・・」


「さぁ、早く行った、行った」


知里は追い払うように、
博己の背中を押した。


博己はニコッと微笑んで、
知里のもとから
走り去って行った。



「頑張れ・・・
『博己』くん・・・」


博己の背中を見つめながら、
知里はそうつぶやいた。