歩くのも辛そうな愛梨、
それでもなんとか家にたどり着き
玄関の扉を開けた。



「ただいま。」


家に入ると和室で博己が
こっちに背を向けたまま座っていた。


「博己、帰って・・・たの・・・?」


博己は背を向けたまま何も言わない。



「遅くなってごめんね、
今・・・夕飯の支度するから・・・」


ううっ・・・

苦しい・・・


愛梨はその姿を見せまいと、
博己に背を向け胸を押さえた。