お姉ちゃんの顔がまともに見れなくなった

ただ、涙がこぼれそうなを必死に食いしばっているお姉ちゃんの前で泣くことだけはできない、と思い、自分の部屋に上がった





暗い部屋に携帯のバイヴ音とネオンが響く

嫌だ、こんなときに慎也君から電話が掛かってきた 最悪、泣いてんのに…
「はーちゃんッ初電話ー」泣いたことは隠しておく

「うあっ!慎也君ー電話ありがとっ アド登録しましたよっ」と明るくふるまったつもりなのに、「えっ!?はーちゃん泣いてる?」 慎也君はあたしが学校行く前お姉ちゃんと喧嘩して泣いてることも、全部見透かし、慰めてくれる

「泣いて、ないよ?」言い終わるまでに慎也君は 今行く、といった

慎也君の働いてるコンビニの隣の隣にあたしの家があるから、慎也君はあたしの家を知っている。

呆然としてベッドでうずくまっていると、数分後、あたしの部屋の窓に何かが当たった。


何?

慎也…君?

窓を開けると、大雨の中びしょびしょに濡れた慎也君が立っていた

「来てくれた…の?」「ばーか一人で泣いてても何も解決しいひんよ?俺に話してみ?」
と笑顔で言ってくれた  アカン、涙が止まらへん

唯 コンビニの店員と客 それだけの関係

何でここまでしてくれるの?ここまであたしを心配してくれるの?


優しいな、でもこんなに心配かけたらあかん、慎也君には何の関係もないこと

「大丈夫だから、何かあったら俺に電話して、24時間いつでも駆けつけるからっ」
何事も無かったかのように笑った

「俺と一緒にコンビニでバイトしいひん?」と提案してくれた

お姉ちゃんにはとがめられているけど、やっぱりこれ以上関係ないフリはできない



そして、秘密でバイトをすることになった