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携帯電話を切った私は、

再び大きなため息をついていた。


仕事をキャンセルまでして会いにくるって・・・・
ホントに、自由な男。



ふふ。と思わず笑みがこぼれる。


というか、
そんな、大したポジションに居ないとか??

あり得る!!
単なる『お飾り』的な
お坊ちゃんカモ・・・?!


一瞬、
自信たっぷりに笑う昴さんを思い出して、
それは無いと思う。


うん。
雑誌にも紹介されていたし。


兄の建志から渡された
雑誌を思い出す。




そんなことを思いながら、
携帯電話をカバンに滑り込ませる。

書類を机に並べて
帰り支度完了。