御曹司なんてお断りっ◆



電話は4コールでつながった。


「志保~?
 まだ会社??」

できるだけ明るい声で言う。

俺はまだ
会社でなおかつ残業なんだけどな。


『は…。あの、はい。
 残業で、でも…会社です。』

「?? どうしたの?
 なんか、あった?」

『いえ。何かあったというか…』

口ごもる志保に不安を覚える。
なんだ?
様子がおかしい。

なんか、
いつもの志保じゃないような気がする。

電話口でもわかるくらいの
挙動不審っていうか
動揺した声っていうか・・・



廊下を進みながら、
エレベーター前まで来る。

武がちらりと
俺を一瞬見てから、
下ボタンを押す。


「大丈夫か?!
 何があった?」

『大丈夫です。ちょっと、あわてただけで。

 えっと、残業も終わりましたので
 すぐに家に変える予定ですので…』


声が少し上ずっている。
なにか、
落ち着かない。

「わかった。今、志保の会社の前まで行くよ。」

「昴様!!??」

武が、驚いて昴を覗き込む。