御曹司なんてお断りっ◆


俺は
武がご丁寧に開けてくれた扉をくぐって
廊下に出る。

数人が俺に気が付いて
会釈をする。

俺も会釈を返しながら
携帯電話から
目当ての番号を探す。


「・・・昴様。
 だから、ーーー」

「武。眉間にしわ寄ってるぞ。
 これぐらいい良いだろ?」

あー、もうメンドクサイ秘書。

仕事が早いし
いつも先回りもするから
頭の回転も速いから
良いんだけどな。



俺は
志保を見つけて
通話ボタンを押す。