俺は 武がご丁寧に開けてくれた扉をくぐって 廊下に出る。 数人が俺に気が付いて 会釈をする。 俺も会釈を返しながら 携帯電話から 目当ての番号を探す。 「・・・昴様。 だから、ーーー」 「武。眉間にしわ寄ってるぞ。 これぐらいい良いだろ?」 あー、もうメンドクサイ秘書。 仕事が早いし いつも先回りもするから 頭の回転も速いから 良いんだけどな。 俺は 志保を見つけて 通話ボタンを押す。