御曹司なんてお断りっ◆


ますます、黒田課長は
顔を赤くして、
照れたように頭をかいた。



「そりゃ照れるだろ?愛の告白だなんて」



いつも物腰柔らかい口調の黒田課長。

やさしそうな笑顔で
女性社員からの人気もある。

仕事も速いし、
クライアントからの評価も高くて、
もちろん
男性社員からの信頼も絶大だ。





そんな課長が
なぜ私に告白しているの??

現実味の無い告白に
私は
考えがよくまとまらなかった。




「とりあえず、
 考えててね??


 あ。じゃ、時間が無いから」

課長はちらっと腕時計を確認すると、
私に向き直る。
 

「今日は、
 我慢するよ。


 お疲れ様~」



ちゅっ。





「…!!か…  」

課長!セクハラですっ!!

言う前に、

右ほほに軽く触れるだけの
やさしいキスをして
足早にコピー室を退散した。


な・・・っ

かぁあぁっと
体が熱くなっていくのがわかった。