御曹司なんてお断りっ◆




あの、恋愛に興味がなさそうだった
田中さんが
男の人と正面玄関で待ち合わせしてたの!

って、軽く話題になっていたらしい。


出勤したら
同僚にも、「あのイケメンさんは彼氏ですか?」
なんて聞かれちゃった。

というか、
私がーーというより、
昴さんに注目が集まったみたい。

確かに、立っているだけで
目立つ人だよね。


でも
今のところ私の『彼氏』ではない。


「いえ。違いますけど。」


「じゃ、僕にもチャンス頂戴。
 田中さんが男とデートだなんて聞いて、
 本当にあせった。

 だからーーー」

といって、黒田課長は
顔をぷいっとそむけた。
顔がほんのり赤くなる。



「課長。
 ……照れてます?」