御曹司なんてお断りっ◆


ひっさしぶりに
こんなに爆笑した。

急に笑い出した俺に、店員もびっくりしている。



「くくく。そうだな。悪い悪い。」

「・・・」



志保はぷいっと顔を背けた。

「志保が、欲しくないって言っても、
 俺があげたかったんだよ」

「ーーーなぜ?」

「あはは。そんなの、下心に決まってるだろー。
 
 少しでも、ポイントアップしないとなー」



あっけらかんと笑う。
いまさら、
いいフォローなんてないしな。
さっさとストレートに言ったほうが早い。


志保が呆れたように
綺麗な瞳で俺を見つめる。



すこし離れたところで店員が苦笑いを浮かべている。


こんな俺を見るのは初めてだろうな。
なんて思いながら
また面白くなって
笑みがこぼれる。




「じゃ、
 これくらいはプレゼントさせて?」


店員を呼んで、
俺が気に入ったネックレスを持ってこさせた。


シンプルなピンクの宝石がひとつあしらわれたネックレス。

貰う理由などありません。という志保の首に手を回して
金具をとめる。

「んー。動かないで。」

「あ。あの。コレはちょと恥ずかしい体勢なんじゃ?」
「そう?仲がよさそうで良いんじゃない?」

ちょっと恥ずかしそうにしている志保もかわいいし。
一石二鳥ってまさにコレ。

あぁ。やっぱりにあうな。
志保の白い胸元によく似合っていた。

満足だな。