「いらっしゃいませ。花京院様」
何度か来ているこの店。
ココのデザインがいいんだよな。
品のいい落ち着いた女性店員が
深々と頭を下げる。
「あぁ。こちらの女性をコーディネートしてくれるか?」
「かしこまりました。
では、お嬢様。どうぞこちらへ・・・」
「え?は?」
志保は店員に手を取られて、戸惑う。
そして、
店員の手を振り払ったかとおもうと、
俺の前まで詰め寄った。
「どういうつもりですか?」
「どういうつもりって・・・
そりゃ、服コーディネートするだけだけど?」
着替えに帰るより、その方が楽だろ?
驚いたように志保は俺を見つめて、
思いっきり眉間にしわを寄せた。
「・・・・・はぁ。」
小さくため息をつくと、
腕を組んで俺を見つめる。
「そういうの、迷惑です。」

