御曹司なんてお断りっ◆


「いらっしゃいませ。花京院様」

何度か来ているこの店。
ココのデザインがいいんだよな。

品のいい落ち着いた女性店員が
深々と頭を下げる。


「あぁ。こちらの女性をコーディネートしてくれるか?」

「かしこまりました。
 では、お嬢様。どうぞこちらへ・・・」


「え?は?」


志保は店員に手を取られて、戸惑う。


そして、
店員の手を振り払ったかとおもうと、
俺の前まで詰め寄った。



「どういうつもりですか?」

「どういうつもりって・・・
 そりゃ、服コーディネートするだけだけど?」

着替えに帰るより、その方が楽だろ?



驚いたように志保は俺を見つめて、
思いっきり眉間にしわを寄せた。




「・・・・・はぁ。」

小さくため息をつくと、
腕を組んで俺を見つめる。




「そういうの、迷惑です。」