食卓に入ってきた母は
建志の隣の椅子を引いて座る。
なんてタイミングがいいのか悪いのか。
「じつはさぁ~~」
「建志っ。やめてよ!」
私はあわてて止める。
「なになに??」
お母さんが興味津々で建志に耳を向ける。
「志保が、珍しくナンパ男に番号を教えたんだって」
「ちょっと、建志っ。
バラさないでよ。」
「え??ほんとぉ~」
なぜだかとっても楽しそうな母。
もぉ。
絶対 建志が言うと思ったけどーー。
「しかも。そのナンパ男『花京院昴』だってよ」
「え?花京院って花京院?」
母も一瞬とまる。
「一応、本物みたいだよ?ねぇ、志保??」
「うん。まぁ・・・
なんでもないってば。
忘れ物を届けてくれた人が
たまたまその人だっただけで。。。」
「で?
何でも無い人の携帯を壊したんだ?」
建志の言葉に、思わず咳き込む。
「ぶっごほごほっ。」
建志は、楽しそうに私の様子を見て、
母に楽しそうに『相手の携帯壊したんだって~』なんて
話して、盛り上がっている。
もう。建志ってホント、意地悪よね。

