御曹司なんてお断りっ◆



食卓に入ってきた母は
建志の隣の椅子を引いて座る。

なんてタイミングがいいのか悪いのか。


「じつはさぁ~~」
「建志っ。やめてよ!」

私はあわてて止める。

「なになに??」

お母さんが興味津々で建志に耳を向ける。



「志保が、珍しくナンパ男に番号を教えたんだって」

「ちょっと、建志っ。 
 バラさないでよ。」

「え??ほんとぉ~」

なぜだかとっても楽しそうな母。

もぉ。
絶対 建志が言うと思ったけどーー。




「しかも。そのナンパ男『花京院昴』だってよ」

「え?花京院って花京院?」

母も一瞬とまる。

「一応、本物みたいだよ?ねぇ、志保??」

「うん。まぁ・・・

 なんでもないってば。
 忘れ物を届けてくれた人が
 たまたまその人だっただけで。。。」

「で?
 何でも無い人の携帯を壊したんだ?」

建志の言葉に、思わず咳き込む。

「ぶっごほごほっ。」

建志は、楽しそうに私の様子を見て、
母に楽しそうに『相手の携帯壊したんだって~』なんて
話して、盛り上がっている。

もう。建志ってホント、意地悪よね。