御曹司なんてお断りっ◆


建志はすぐに自室から戻ってきて、
「ほら」

私に雑誌を投げ渡した。


何?

私は、雑誌を受け取って
ぱらぱらとめくる。

建志は私が腰掛けている
ソファーの隣に
腰掛ける。

緑色の肌触りのいいソファーが
ふっと沈む。



渡された雑誌は、経済雑誌。




建志は慣れた手つきで、
ぱらぱらとめくる。

「コレ?」

ひとつのページで手を止めて、
建志は指を刺す。


「あ。」

『時代のニューフェイス』の特集で、
今、やり手の若手を特集したページであった。

ーーー花京院 昴ーーー


「へぇ。ホントに御曹司だったんだ」
いや、信じてないわけじゃなかったんだけど。

「ふぅーん。」

面白くなさそうに建志は
ソファーに身を投げ出す。