御曹司なんてお断りっ◆


***

「…本当に、申し訳ございません。
 うちの昴様が無理やりーーー」


はぁ。と市川さんは車のハンドルに向かって大きくため息を吐いた。


「い・・・いえっ。市川さんがあそこで言っていただけなければ
 昴さんも、引かなかったですから・・
 本当にありがとうございます。」

本当に、心の底から感謝を告げた。




結婚するという昴さんに、
市川は コホン。と咳払いをし、ちらりと私を見る。


そして、
「--昴様のスケジュールは一年先までまとめて3日以上取るのはムリです。 
 そもそも、まだ付き合い始めて日が浅いのでは?

 恋人ならではの楽しみもあるでしょう?
 そういう楽しみを満喫してからの結婚でも遅くないでしょう?


 それにーーー

 昴様は早く結婚しても問題ありませんが、
 女性にとって『結婚式』とは色々夢見るところもあるでしょう。

 女性の意見が優先ですよ?
 式をするなら、どこがいいとか…色々みたいでしょう?」


私は、市川さんの目配せに、「そっ。そうです!」とうなずいた。

昴さんはしぶしぶうなずいて、
「じゃあ、半年後は?」

「…昴様、とりあえず今日のお仕事なさってください。」

ぴしゃりと市川さんに制された昴さんは
車に押し込められ、さっさと会社の前で下された。

私は、そのまま市川さんに送られている。