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「…本当に、申し訳ございません。
うちの昴様が無理やりーーー」
はぁ。と市川さんは車のハンドルに向かって大きくため息を吐いた。
「い・・・いえっ。市川さんがあそこで言っていただけなければ
昴さんも、引かなかったですから・・
本当にありがとうございます。」
本当に、心の底から感謝を告げた。
結婚するという昴さんに、
市川は コホン。と咳払いをし、ちらりと私を見る。
そして、
「--昴様のスケジュールは一年先までまとめて3日以上取るのはムリです。
そもそも、まだ付き合い始めて日が浅いのでは?
恋人ならではの楽しみもあるでしょう?
そういう楽しみを満喫してからの結婚でも遅くないでしょう?
それにーーー
昴様は早く結婚しても問題ありませんが、
女性にとって『結婚式』とは色々夢見るところもあるでしょう。
女性の意見が優先ですよ?
式をするなら、どこがいいとか…色々みたいでしょう?」
私は、市川さんの目配せに、「そっ。そうです!」とうなずいた。
昴さんはしぶしぶうなずいて、
「じゃあ、半年後は?」
「…昴様、とりあえず今日のお仕事なさってください。」
ぴしゃりと市川さんに制された昴さんは
車に押し込められ、さっさと会社の前で下された。
私は、そのまま市川さんに送られている。

