御曹司なんてお断りっ◆


「…では、秘書として言わせていただきます。」

市川さんはメガネをかけ直して、
スーツをピッと直して私に向き直る。


「…志保さんは、とても綺麗で昴様が選んだ方ですので
 隣に立っていただく権利があると思います。

 他の嫉妬の目などは気にせず、すべて昴さんに任せばいいかと…」

軽く会釈をして、
ニヤリと笑った市川さんは、言葉をつづけた。

「で、俺 個人的には、そんなの、どうでもいい。

 というか、
 俺が、志保さんなら・・・

 もっとジジィを手玉に取って結婚するな。
 慰謝料ふんだくって別れるか
 さっさと成仏するのを待つか…



 間違っても昴様は無いな。
 
 大体、あのマイペースと強引さってなんだよ。
 あんなのに捕まった志保さんに心から同情する。」


やれやれと大きくため息を吐く市川に思わず志保が笑った。


「そうですよね。なんなんでしょうね、あの強引マイペース。
 市川さんが居なかったら 
 私、今頃、ハワイあたりで挙式でしたね。」

「いやー、フランスかイギリスじゃないか?」


ニヤニヤと楽しそうに笑う市川さんは
やっぱり、大人の男の余裕を感じた。



「はぁ。でも、私がご両親に会うのは気が重いです…」

「まだ身分がーーとか言ってるのか?
 江戸時代じゃあるまいし。
 
 というか…」