「…では、秘書として言わせていただきます。」
市川さんはメガネをかけ直して、
スーツをピッと直して私に向き直る。
「…志保さんは、とても綺麗で昴様が選んだ方ですので
隣に立っていただく権利があると思います。
他の嫉妬の目などは気にせず、すべて昴さんに任せばいいかと…」
軽く会釈をして、
ニヤリと笑った市川さんは、言葉をつづけた。
「で、俺 個人的には、そんなの、どうでもいい。
というか、
俺が、志保さんなら・・・
もっとジジィを手玉に取って結婚するな。
慰謝料ふんだくって別れるか
さっさと成仏するのを待つか…
間違っても昴様は無いな。
大体、あのマイペースと強引さってなんだよ。
あんなのに捕まった志保さんに心から同情する。」
やれやれと大きくため息を吐く市川に思わず志保が笑った。
「そうですよね。なんなんでしょうね、あの強引マイペース。
市川さんが居なかったら
私、今頃、ハワイあたりで挙式でしたね。」
「いやー、フランスかイギリスじゃないか?」
ニヤニヤと楽しそうに笑う市川さんは
やっぱり、大人の男の余裕を感じた。
「はぁ。でも、私がご両親に会うのは気が重いです…」
「まだ身分がーーとか言ってるのか?
江戸時代じゃあるまいし。
というか…」

